可換環論において、準素イデアル(じゅんそいである、英: primary ideal)とは、可換環 A の真のイデアル Q であって、xyQ の元かつ xQ の元でないとき、ある自然数 n > 0 が存在して ynQ の元となるようなイデアルのことである。言い換えると、剰余環の任意の零因子がべき零となるような(真の)イデアルのことである。

例と性質

  • 定義から明らかに素イデアルは準素イデアルである。
  • 素元分解整域において、素元 p のべき pn で生成されたイデアル (pn) は準素イデアルである(たとえば有理整数環;右図参照)。
  • ネーター環の任意のイデアルは、有限個の準素イデアルの共通部分として書ける(準素分解)。
  • デデキント環の準素イデアルは素イデアルのべきである。
  • 準素イデアルの根基は素イデアルである。

参考文献

  • 堀田, 良之『可換環と体』岩波書店、2006年。ISBN 4-00-005198-9。 

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