キヌゲネズミ科(キヌゲネズミか、Cricetidae)は、齧歯目ネズミ上科の分類群である。ハムスター、ハタネズミ、レミングなどが含まれる。

進化

キヌゲネズミ科は新生代始新世中期 - 後期のアジアに現れたが、勢力を拡大するのは中新世に入ってからであった。アフリカやマダガスカル、北アメリカ大陸、そして南アメリカには約300万年前に北アメリカを経由して到達した。現在では熱帯から北極圏にまでの広い範囲に分布している。また、特に南アメリカでは350以上の種に分化し、繁栄している。

臼歯はやや祖先的な形態を留め、初期の属では咬頭が細い峰で連結された様な形態を示す。一方、後期に分化したミズハタネズミ亜科では高冠歯化し、更に無根歯となって一生伸び続ける様になる。喉頭のパターンも、扇形が互い違いに並んだ様な形態へと変化している。

分類

以下の亜科が含まれる。MusserとCarletonによる1993年の分類ではネズミ科のシノニムとされたが、2005年の分類ではネズミ科とは異なる科とされた。

  • ミズハタネズミ亜科 Arvicolinae - オオハタネズミ、レミング、マスクラットなど
  • キヌゲネズミ亜科 Cricetinae - ゴールデンハムスター、ジャンガリアンハムスターなど
  • タテガミネズミ亜科 Lophiomyinae - タテガミネズミ
  • ウッドラット亜科 Neotominae - ウッドラット、ゴールデンマウスなど
  • コトンラット亜科 Sigmodontinae - コメネズミなど
  • キノボリネズミ亜科 Tylomyinae - ヨルネズミなど

脚注

関連項目

  • ネズミ科 - 中新世中期に分化したとされるグループ。

参考文献

Musser, G. G. and M. D. Carleton. 2005. Superfamily Muroidea. Pp. 894-1531 in Mammal Species of the World a Taxonomic and Geographic Reference. D. E. Wilson and D. M. Reeder eds. Johns Hopkins University Press, Baltimore.

  • 富田幸光『絶滅哺乳類図鑑』伊藤丙雄、岡本泰子、丸善、2002年、109 , 112頁頁。ISBN 4-621-04943-7。 

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